なぜ多くの人は肌の「こすりすぎ」で、自らシミを作り出してしまうようなことをするのか

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「シミができてる・・・なんで!?」

 

そのシミ、実は肌の「こすりすぎ」が原因かもしれません。

 

ちょっとしたクセや習慣、さらには毎日の洗顔による「肌のこすりすぎ」が、意外な盲点となってシミを作っている可能性があります。

自分の気づかないクセや習慣で、自ら毎日せっせとシミを作っていたなんて、イヤですよね。

 

そこで、このページではまずはじめに、多くの人たちはなぜ肌の「こすりすぎ」で自らシミを作り出すようなことをしてしまうのか、その理由について詳しく説明します。

 

そして後半では、多くの人にとって「こすりすぎ」の落とし穴となってしまっている洗顔方法について、シミに正しい洗顔方法をご紹介します。

 

【目次】

 

 

「こすりすぎ」に警笛を鳴らす専門家

「こすりすぎ」こそシミの大きな原因であると警笛を鳴らす専門医は少なくありません。

例えば、久保 慎一郎 医師(東京高輪病院形成外科)はNHKの放送の中で、次のように述べています。(*1)

(シミの原因として)患者に対して「こすりすぎ」を指摘すると、多くの場合「気を付けています」「こすっていません」と言うが、かなりの方が強い刺激を与えてしまっている。ちゃんと自分の習慣を理解できていない方もたくさんいるという印象だ

 

 

また、他にも、葛西 健一郎 医師(葛西形成外科院長)は、肝斑と呼ばれる女性に多いシミの症状に対して、その原因は「こすりすぎ」にあるとして、次のように皮膚科の専門誌の中で主張しています。(*2)

肝斑(女性に多いシミの症状)の本質は、「こすりすぎ」に起因するバリア破壊とそれに伴う慢性炎症性色素沈着症である。

 

 

このように、「こすりすぎ」に対する注意は、多くの医師たちから聞かれます。

また、シミ治療の際にも、「とにかくこすらないこと!」と医師から必ず繰り返し注意されることから、一般の人が思っている以上に、こすらないことは医師の間では重要なことと捉えられています。

 

「こすりすぎ」がシミの原因となるメカニズム

それでは、なぜ「こすりすぎ」がシミの原因となるのでしょうか?

その答え、実はシミの発生メカニズムにあります。

 

シミの発生メカニズムは様々な説がありますが、非常にわかりやすく単純化すると、以下がひとつのパターンとしてあります。

 

こすりすぎによるシミの発生メカニズムの一例

  1. 化粧や過剰なスキンケア、クセなどによって「皮膚のバリア機能」が破壊される
  2. 「皮膚のバリア機能」が壊れたところに、さらに化粧や過剰なスキンケア、クセなどの物理的刺激や紫外線による影響などが加わり、皮膚に炎症が引き起こされる
  3. そのような皮膚の炎症が毎日繰り返される結果、シミとなって黒ずみが定着してしまう

 

 

このように、「皮膚のバリア機能」が壊れてもさらに繰り返される刺激によって、シミが定着してしまうのです。

 

それでは、なぜ大切な肌に対して、それほどまでに自ら刺激を与えてしまうのでしょうか?

 

それは、実は、知らず知らずのうちに擦り込まれてしまっている常識や、思い込みがそうさせてしまっているんですね。

 

そこで、次から「こすりすぎ」の具体的なケースと、その背後にある思い込みなどの原因について見ていきます。

 

「こすりすぎ」の具体的なケースと対策

まずはじめに、「こすりすぎ」と聞くと、まさしくゴシゴシといったイメージで強く「こする」ことを文字通り想像する人が多いと思います。

 

しかし、「こすりすぎ」というのは日常的に髪の毛が顔に当たるレベルでさえシミにつながる可能性があることからも(*1)、実は「こすりすぎ」になるための摩擦や刺激の程度は思っている以上に弱いです。

 

そして、多くの人にとって、何がこすりすぎになってしまっているのか理解しないまま、無意識にクセや習慣で肌を「こすりすぎ」てしまっています。 

顔に手を当てて頬杖をつきながら本を読む女性何気ないクセ、そのちょっとした肌への刺激がシミを招いているかもしれない

 

そこで、これらの認識を踏まえた上で、次のような点に心当たりはないか、ご自身で振り返ってみてください。

意外なところで「こすりすぎ」の呪縛にとらわれている可能性があります。

 

こすりすぎの具体的な例と対策① 化粧はきっちり落とさなければいけないという呪縛

  • 化粧を落とす際にこすってしまっている

 

この点について、シミ治療の第一人者である葛西 健一郎 医師は、「化粧が残ってもかまわない」と言っています。(*3)

「化粧が残ってもかまわない」と言われると驚かれる人も多いかもしれませんが、「化粧をきっちり落とさなければいけない」という呪縛が「こすりすぎ」の大きな要因となっていることが多く、その呪縛を解くために説得するのが一番難しいと葛西医師は述べています。

 

そして、化粧が多少残るよりも、とにかく「こすらない」ことこそが重要であると強調しています。

 

ちなみに、NHKの情報番組である「ガッテン!」(*1)では、化粧落としの際、ふき取るタイプのクレンジング剤から洗い流すタイプのクレンジング剤に変更するだけで、実際にシミが2週間程度で改善されたケースが放映されていました。

このように、化粧落としの方法を少し変えるだけでも短期的に改善が見られるほど、実は化粧落としは「こすりすぎ」の大きな原因となっています。

 

こすりすぎの具体的な例と対策② 化粧をしなければだらしないという呪縛

  • 化粧の際に入念な場所が無意識に決まっており、ついつい気になるところを重ね塗りしてしまっている
  • 化粧の際に利き腕の側を無意識にもう一回塗りなおしてしまう

 

こちらの2点もNHKの情報番組である「ガッテン!」(*1)で放映されていた例となります。

無意識に利き腕の方を余分に塗ってしまうことや、ちょっと重ね塗りをするという、たったそれだけでシミになってしまう可能性があるとのことです。

 

また、その対策として、やわらかい素材の化粧道具を用いるだけで、こちらも2週間程度でシミの症状に改善が見られたと放映されていました。

 

なお、この点に関してですが、ちょっと余分に化粧を多くした程度でその部分がシミになってしまうのであれば、そもそも化粧すること自体がどれだけ肌全体に対して毎日負担を与えているかということになります。

「化粧をしないとだらしないと思われる」という”常識”に基づいて一生懸命化粧をした結果、自分本来の肌の方がシミになってしまうのであれば、大いなる皮肉と言わざるを得ないです。

 

ちなみに、この「化粧をしないとだらしない」という常識は関西の方で強いようで、その分関西の方が相対的にシミも多いようです。(*3)

 

その他のこすりすぎの具体的な例

なお、こすりすぎの具体的な例としては、他に以下の点もありますが、こちらも本当にちょっとしたことですね。

  • 髪をかき上げる手で顔に触れてしまっている
  • 疲れた際など、無意識に目をこすってしまっている

 

こうした例から、「こすりすぎ」とはこうした本当にちょっとしたことでなってしまうという認識を理解した上で、自分のクセや習慣などを見直してみてください。

 

 

なお、この他にも「こすりすぎ」については多くの人が洗顔によって、日常的に肌に大きな刺激を与えてしまっているため、洗顔における「こすりすぎ」については以下で詳しく説明します。

 

洗顔でこすりすぎてしまう理由

なぜ洗顔で肌をこすりすぎてしまうのでしょうか?

それは、「洗顔」という言葉の持つイメージにあります。

洗顔をしている女性、両手で水を顔に当てている

 

汚れを落とすためには「こする」必要があるという誤解

石鹸を使用して洗顔するとなると、どうしても「汚れを落とす」というイメージが先行するため、無意識に「汚れを落とさなければいけない」と思い込んでしまい、無意識に汚れを落とす動作である「こする」ということをしてしまいがちです。

 

しかし、シミ予防の観点からすると、わずかでも肌に摩擦が発生することは、皮膚に炎症をもたらす結果となるため、「こすりすぎ」となってしまう可能性があります。

 

また、もう一つの誤解としては、洗顔というと手で洗い落すイメージがある点も考えられます。

 

洗顔というと汚れを手で洗い落とすイメージを持つ方が多いですが、実は手ではなく泡に汚れをからませるという程度のイメージをもつのが、正しい洗顔方法となります。

この点については、シミ治療の第一人者である山下 理恵 医師(湘南鎌倉総合病院)も、「せっけんの泡を肌に乗せるだけで汚れの約8割が落ちると言われている」と述べています。(*4)

 

それでは、なぜこのような泡に汚れをからませる方法が正しい洗顔であるかというと、石鹸というものの仕組みを活かした方法であるからです。

 

正しい洗顔方法のために、石鹸の仕組み(界面活性剤)の理解

石鹸は、そもそもの仕組みとしては界面活性剤です。

よく界面活性剤というと悪いイメージを持つ方がいるかもしれませんが、悪いと言われるのは皮膚等に悪影響を及ぼす可能性のある成分を用いた界面活性剤であって(よく合成界面活性剤などと呼ばれたりします)、界面活性剤の仕組み自体は物理的に当たり前の概念です。

 

それでは、界面活性剤とは何でしょうか?

石鹸の例で言うと、皮膚と汚れの境目(界面)に働きかけて、汚れを浮き上がらせる(活性させる)ものとなります。

 

このように理解すると、手はあくまで泡を作ったり、顔に泡を広げたり、汚れに泡を絡ませたりするという、石鹸の界面活性剤としての作用を促すためのツールに過ぎず、主役は石鹸(泡)であることがわかります。

そのため、手では顔には触れず、あくまで主役である泡で顔に触れるんだというくらいの意識が必要になります。

 

 

シミに正しい洗顔方法

ここまでお伝えしてきた、こすりすぎになってしまいがちな注意点を押さえた上で、洗顔方法のポイントと流れをお伝えします。

 

洗顔方法のポイントと流れ

1.洗顔の前にまず手を洗う (石鹸の泡立ちを良くするため)
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2.洗顔のために熱すぎないお湯を用意する (熱いお湯はかえって肌に刺激を与えてしまうため)

3.洗顔前にお湯だけで2~3回ゆっくり顔を流す (石鹸なしでもかなりの汚れは落ちる)

4.しっかりした泡を立てる (とにかくキメ細かく、たっぷりと)

5.泡をやさしく顔の上に乗せる

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6.円を描くように肌の上で泡を転がす (手でこすらない)

7.すすぎに際しては、泡が残らないようにこすらずしっかりすすぐ (決してこすらない)

8.ふき取りはタオルでやさしく押さえるだけ (ここでも決してこすらない)

 

以上です。

何ということのないようですが、意外にこすりがちな落とし穴が随所にあるため、ご注意ください。

 

また、お風呂で洗顔をする場合などは、その前後で髪をシャンプーする時などに無意識で目や顔を拭ってしまい、それが肌をこすることにつながる場合もあるため、その点も注意してください。

 

なお、前述した洗顔方法の中で特に重要なポイントは、しっかりした泡を立てる点にありますが、この点の重要性については、NHKの情報番組である「ガッテン!」で過去にも繰り返し紹介されています。(*1)(*5)(*6)

 

以下、番組のサイトから概要を引用します。
全て重要なポイントであると言っても過言ではないので、是非一読頂ければと思います。

ホイップクリームのようなしっかりした泡を立てる事が重要で、手のひらを逆さにしても落ちないくらいの固さが目安です。

キメの細かい泡をつくる事で洗浄効果が高まるだけでなく、泡がクッションとなって、摩擦の軽減につながります。

立てた泡で顔を優しくなでるのがポイントです。

 

このように、NHKの放映でも、しっかりした泡を立てることが強調されています。

 

ただ、しっかりした泡を立てようと思っても、意外と難しいと感じられる方も多いのではないでしょうか。

あまり泡立っていない石鹸
しっかりした泡を立てることが重要。ただ、意外と難しい・・・

 

しかし、実は、この泡立たない問題に対しては、泡立てネットを使用することによって簡単にモコモコの泡をつくることができるため、百均で泡立てネットを買ってみるのもおすすめです。

 

 

シミ予防のための洗顔 まとめ

シミができると、人によってはレーザーやクリームなどでシミを消すための措置をとる場合があります。

しかし、結局「こすりすぎ」がシミの原因であれば、対症療法としてシミの治療をしたとしても、再発する可能性が高いです。

 

特に、女性に多く発生する肝斑(かんぱん)というシミの一種は再発が多いと言われますが、その理由のひとつにはこの「こすりすぎ」が影響している可能性があると言われている点は既にご紹介した通りです。(*2)

 

そのため、シミを防ぐために、まずは洗顔から見直してみるというのはいかがでしょうか。

洗顔は毎日のことで、一日一日の積み重ねです。

 

正しい方法で行うのと、間違った方法で行ってしまうのとでは、年月を重ねるごとに大きな差となってしまうため、できるだけ早い段階で正しい洗顔方法に変えて、素肌に良いことを続けていきましょう。

 

参考文献・参考情報

(*1)NHK ガッテン! 「戻れ!シミの消えた肌 冬こそ徹底対策」 2016年1月20日
(*2)葛西 健一郎 肝斑の治療戦略:肝斑の本質を考慮した保存的治療の重要性 『PEPARS』 No.11:73-78. 2016
(*3)葛西 健一郎 「シミの治療-このシミをどう治す?」 文光堂;第2版 (2015/04)
(*4)山下理絵 / 湘南鎌倉総合病院形成外科・美容外科部長 『美肌に大切な環境や習慣』
(*5)NHK ためしてガッテン 「あなたのシミ消します!冬の美肌復活大作戦」 2009年12月9日
(*6)NHK ためしてガッテン 「毛穴の目立つ人必見! キレイに消す最終ワザ」 2012年3月7日